一人がためなりけり(其の1)
「きーみょう むーりょう じゅーにょーらい 南無不可思議光 法蔵菩薩因位時 在世自在王仏所 都見諸仏浄土因 国土人天之善悪 建立無上殊勝願 超発希有大弘誓 五劫思惟之摂受 重誓名称聞十方・・・」
(かぎりなきいのちと光の仏さまに帰命いたします。その仏さまが、法蔵菩薩という修行者であったとき、世自在王仏のみもとで、あらゆる国の様子をご覧になり、無上の願いを起こされて、五劫という修行の末にこの本願を選ばれ、その名号をすべての国の人に聞こえるようにと重ねて願いを誓われました。)
お葬儀のお勤めでは浄土真宗の場合「五劫思惟之摂受(ごこうしゆししょうじゅ)」は導師が一人で唱えます。
阿弥陀さまは何のためにご修行され、誰のための救いを完成されたのか。お葬儀にご列席された皆様と共に「五劫思惟」という言葉を通して聞かせていただくのです。
高校の倫理や社会などの教科書では、浄土真宗の書物は「歎異抄(たんにしょう)」が特に大きく取り挙げられます。
親鸞聖人のお弟子の唯円さんが聞き書きとして残された「歎異抄」の後序には、
「弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずるにひとえに親鸞(しんらん)一人(いちにん)がためなりけり」
という親鸞聖人の感嘆の言葉がこぼれています。
阿弥陀さまのご本願は「すべてのいのちを必ず救う」とお誓くださってあります。