ああ、こわ~
あるお同行さんが、畑で花も作っておられます。
「いつもきれいですね」、「可愛い花が咲きましたね」、と声をかけてくださる方もあれば、時々お花を失敬していかれる方もあるそうです。
作業をしておられた時、その方が自分に気づいた様子もなく畑に入って採っていかれます。
「だめですよ、勝手に採っていくのは、あかんことですよ」と、和らく言葉をかけたそうです。
まさか畑主がそこにおられるとは思わなかったのでおどろいた様子ながらも、「ああ、ごめんな、地蔵さんにお供えしようと思って、ちょっとだけやん、ほな返すわ」と、渡されるものだから、
「いいです、いいです。でも、黙って採ったものをお供えされてもお地蔵さんもお困りではないですか」と話しますと、
「まあ、そうかな。ごめん、ごめん」と、頭を下げて行かれました。
少し離れたところ、散歩されている方に出会ったのか「あそこの嫁さん怖いに、ああこわ、かわいらしい顔して」と、大きな声が聞こえてきます。
またしばらくすると「怖い人や」との声が。
「怖いというのは・・・、ご免なさいといっていたのは、いったい何だったのでしょうね」と話されました。
「人の悪きことはよくよく見ゆるなり、我が身の悪きことは覚えざるものなり」
と、蓮如上人は教えてくださいました。
相手のことの良し悪しを判断する自分はいるが、自分のことは中々見ない、気づかないものです。
折角相手の事を思ってこれ以上罪とがを犯してほしくないと勇気をもって諭した方のことも、自分は悪くはない、むしろお地蔵さんにお供えをするという善をなしているのに分らん人や、
あの人は鬼のような人やと我利我利に、「鬼は内、福は外」幸せは、人にまわそうよ。