あどみん帖(2407)

 私は眠りが浅いのか、睡眠時に必ず何かしら夢を見ます。99%は非現実、何の脈絡のない内容で、ふと目を覚ました時点で夢の内容はほとんど消えている、言わばどうでもいい映像です。

 そんな中、先日とても不思議な体験をしました。亡くなった父が現れる夢です。
 父を亡くしておよそ1年4ヶ月あまり。現在母は存命ですが離れて暮らす中、父の死後は母子間の確執で実家へ行く事もなくなり、父の遺言で墓もなく、遺影前で手を合わせる事すらしていないという私は、生前、死後にわたる親不孝者です。

 夢を見たのは私の抱える後ろめたさの心理に、父の念が夢像となり不孝を戒めるという意味だったのかもしれません。
 その夢はたった数秒間の映像です。父の姿は50代頃で、私の記憶にある寝着姿。私が帰宅したか何かのシチュエーションで、両腕を軽く広げ私を迎えた。私自身が驚くほどの穏やかな父の笑顔が強烈な印象でした。

 場面が急に変わり、父は寝室へ。寝室が隙間から見え、薄明りの中で床に就く父の姿を見届けた所で映像が終わると、「あぁ良かった、親父が死んだのは夢だったのか」「いや、親父は確かに死んだよな」と、夢と現実がごちゃごちゃになった瞬間で目が覚めました。

 夢を見ず眠る日が無いと言えるほど睡眠に問題があろう私ですが、先述通り目を覚ますと同時に消失する夢を、これほどまでに衝撃的、鮮明に記憶した事はありません。

 父が私の不孝に対して鬼の形相で現れるならわかります。しかし微塵もそんな事がなく、旅立ってからも私を見守ると言わんばかりの夢に、とてつもない嬉しさでいっぱい、あの父の笑顔を忘れることは無い、という体験でした。

 父の死後、なおさらに人生を二度やり直せたとしても超えることのできない存在と感じています。
 生前の父はあまり語ることのない人でしたが、父の「念」があるとするなら、その裏で持っていた「途方もない程に想う私という子、死してなおその想い消えず」なのかもしれません。

 亡き方が夢に出るという事を少なからずの方が経験されているかも知れません。どんな夢であれ、映像、内容は生物学的にもその人の心理が反映されるようです。
 オカルトを語るつもりはありませんが、戒めを暗示しているかもと受け止める気持ちも必要かもしれませんね。