虚しく過ぐる人ぞなき(其の1)

 師走のこと。
 東奔西走、北上南下、一年の間に様々なご縁で、走り回った方もおられるのではないでしょうか。

 予定がたくさんあり、充実した毎日を送ることができていると思う反面、その裏には「何のために?」という問いに正面から問われたときにドキッとしてしまう心持も抱えているのかもしれません。

 一月は行く、二月は逃げる、三月は去る・・・と、あっという間に一か月が、一年が過ぎ去っていく中で、人に一生もまた、朝露のように儚く、夢幻の如くに過ぎ去っていきます。

 忙しいとは「心を亡くす」と書きますから、ただ忙しいだけの人生は虚しく過ぎ去ってしまうものかもしれません。
 墓参りや、お寺参りといった宗教儀礼、日常のお仏壇参りといった習慣には、忙しいで亡くした心を取り戻していく作用があると教えていただいたことがあります。

 読経やお聴聞など、スマホやテレビから離れて、宗教的雰囲気に触れていく中で、人間の本質を取り戻す作用があるのかもしれません。
 また、親鸞聖人は、阿弥陀如来の救いを、

本願力にあいぬれば
虚しく過ぐるひとぞなき
功徳の宝海みちみちて
煩悩の濁水へだてなし 

と讃えていかれました。

(1月16日・其の2へ続く)