ああたのもしい 弥陀のこえ(其の1)
厳しい暑さが落ち着き、秋の足音がかすかに聞こえだしました。夜には虫たちの声が聞こえます。
あれ松虫が 鳴いている
ちんちろ ちんちろ ちんちろりん
あれ鈴虫も 鳴き出した
りんりんりんりん りいんりん
秋の夜長を 鳴き通す
ああおもしろい 虫のこえ
脳裏には、懐かしい唱歌「虫のこえ」が思い出されます。
1912(明治45)年の唱歌集「尋常小学唱歌」第三学年用に掲載された唱歌で、世代間を問わず長い間歌い継がれてきましたが、外で鳴いている虫たちの姿を直接目にする機会はあまりありません。ほとんどが、草むらの中や、木の陰に身を置きながら鳴いています。
しかし、草むらの虫たちの姿かたちは直接見えなくとも、その声によって私たちは、虫たちがいることを知らされます。
声は虫たちの、自ら、自分が「何者」であるかという名乗りであり、存在を知らしめるものです。
またその声は、家の中にいても、家の壁を超えて私たちに聞こえてきます。
「こえ」には様々なはたらきがありますね。声と出会うことは、「こころ」とであうことでもありましょう。
「南無阿弥陀仏」は、「我にまかせよ、必ず救う。浄土に生まれさせ仏にならしめん」との阿弥陀如来の名乗りであり、それがそのまま、私をよんでくださる声でありました。