鴬のご催促、ホーキケヨ(法聞けよ)(其の1)

 桜満開、春爛漫の京都。世界各地から観光客が訪れ、バスや電車、路上までもが黒山の人だかり。市バスは乗るのも降りるのも一苦労です。

 京都駅から徒歩15分。浄土真宗本願寺派の本山である西本願寺も、春は多くの参拝者でにぎわいます。
 本願寺の北の阿弥陀堂、南の御影堂をつなぐ廊下を渡ると、「キュッ、キュ」と音が鳴ります。鴬張りです。

 城や武家屋敷などの鴬張りは、夜中に不審なものが侵入した際に知らせる防犯の役割をしています。
 こちらは、板の下に金具などを入れ、人為的に音を発しているようです。
 一方で、寺院の鴬張りは、経年劣化で自然に金具がきしみ自然に音が鳴るものが多いようです。

 確かに、本願寺の渡り廊下は吹きさらしであるので、防犯の意味合いは薄いかもしれません。
 では、なぜ鴬張りなのか。江戸時代のお坊さんが面白い日記を書いていました。

春になると、山で鴬が鳴き出す。鴬は「ホーホケキョ」と鳴いているのではない「ホーキケヨ(法聞けよ)」と私たちに知らせてくれているのだ。

 単なるダジャレかもしれませんが、季節の豊かな味わいと、四季折々に際して、仏法を聞き、お念仏に育まれる人生の豊かさを感じます。

 浄土真宗は人生の節目節目や、日常の折々の出来事をご縁として、仏法、阿弥陀如来の願いを聞き、願いに育てられていく宗教です。
 

(6月16日・其の2へ続く)